国内景気とは裏腹に日本国民にとって何となく自信を与えてくれるような出来事が続き、つかの間、ほっとした気分にさせられた二日間であった。ノーベル物理学賞と、化学賞の連続受賞である。
特に、化学賞の田中さんに至っては敬称に「さん」か「氏」であり、「博士」ではないのである。まさに、画期的な出来事である。
この件についての関連記事の中に、アフィリエイトプログラムに関係している記事を発見したので、取り上げて見ることにする。
朝日新聞の10月10日の朝刊の二面から三面に(東京版)「新薬開発に”革命”」「モノ作りに自信」という、大見出しで田中氏の受賞が報じられている。この報道記事の中に、コロンビア大学化学部の教授で中西香爾(こうじ)博士と言う人が、朝日新聞の求めに応じてコメントを出している。
朝日の中西博士の紹介記事によると、「分析の新手法を次々導入して約200種もの化学物質の構造を決定してきた米コロンビア大の中西香爾博士」と紹介している。
中西博士の自然科学の分野での貢献は世界的に著名で、1999年度の日本の文化功労賞の受賞者だが、実は、イチョウ葉エキスの研究者として世界的に有名なのである。
この中西博士の発見したイチョウ葉エキス、ギンコライドBを有効成分として作ったサプリメント(栄養補助食品)があるが、その名を「バイオギンコ」という。この製品を製造販売している会社をファーマネックス社(アメリカ)という。日本にも新宿に 日本法人がある。
中西博士は、このファーマネックスジャパンの「科学諮問委員会」の委員長をしている。「科学諮問委員会」は、同社の製品の開発・研究に携わっている学者達の集まりだが、中西博士を始め、世界的に著名な学者を数十名、委員に招聘していることで有名である。ちなみに、アメリカのファーマネックス社の科学諮問委員会の委員長は、スタンフォード大学の化学部教授、カール・ジェラッシイ博士で、経口避妊薬の生みの親として、超有名で、モノがモノだけに、中西博士以上に世界的に知られている。
なんでこのハナシをするかというと、このファーマネックス社は、アフィリエイト・プログラムの「原型」を採用してサプリメントを販売している会社なのである。
アフィリエイトプログラムは、アマゾンドットコムが1996年に採用してその発展の基礎を築き、アマゾンがパイオニアということになっているが、アマゾンの前に、アフィリエイトプログラムを採用して大発展した会社があった。その会社の名前を「アムウエイ」という。
アムウエイが多重の階層にコミッションを支払うネットワークによる販売方法(マルチレベルマーケティングという。略してMLMという)を取っていたのにたいし、アマゾンはそれを1階層にして、採用したわけである。
ファーマネックスも実は、このマルチレベルマーケティングというネットワークマーケティングを採っている。一般のアフィリエイトプログラムがせいぜい2階層(アメリカには3階層まで支払う会社が現れたという)迄なのに対し、ファーマネックスは6階層までである。
販売方法にはいろいろある。普通の店頭販売、通信販売、インターネットを使ってのオンライン販売、TVショッピング、そしてマルチレベルマーケティングなど。
これらの販売方法のどれを採ろうと、企業が自社の製品販売に一番適した方法を採ればよいわけで、人にとやかく言われる問題ではない。ところが、この中で、マルチレベルマーケティングが、何かと話題を振りまいて評判があまり良くない。理由は、非常に頭の良いヤツがいて、このシステムを「マネーゲーム」に使ったからである。そのマネーゲームが破綻して事件になり、マスコミが無節操に記事を書き立てたものだから、普通の販売手段の一つであるにもかかわらず、評判を落とすことになってしまった。
日本に特にその傾向が強い。アメリカの大学では、MLMのネットワークマーケティングの講義を授業の一つとし広く行っているが、日本では、早稲田大学と一橋大学くらいか。研究者は慶応大学など、ほかの大学にも多くいるようである。
本題に戻ると、中西博士は、MLMの販売手法を使っている会社で自分の研究した成果の一つを製品として販売しており、その会社の研究顧問となり、研究開発を指導している。
更に著名な、カール・ジェラッシイ博士しかり。更に言うならば、以前、倒産寸前のクライスラーの危機を救い再生させた、同社前社長、リーアイアコッカ氏も、ファーマネックスの親会社、NSEが主催する、「飢えた子供達に食料をーNourish the Children」プロジェクトの最高責任者として、「クライスラーを立て直したとき以上に責任と興奮を覚える」と言って、この世界規模のチャリティー事業に取り組んでいる。
ファーマネックス社には、このように、世界有数の頭脳が関与しており、彼らにより、研究開発が行われているが、販売そのものはアフィリエイトプログラムの原型のネットワークマーケティングによって運営されている。
ファーマネックス社の販売方針がMLMによるネットワークマーケティングであるということを100も200も知りながら、中西博士やカール・ジェラッシイ博士など、世界的な頭脳がこの会社の研究開発に参加している。リーアイアコッカ氏も困難なプロジェクトに取り組んでいる。
まだ、情報はある。ちょっと古いが、先のアメリカ大統領選挙で、共和党はファーマネックスと同じグループの、BigPlanet という、オンラインMLMのサイトを使って資金集めを行った。
また、ファーマネックスグループは、2000年のアトランタ、2002年のソルトレーク、更に、2004年のアテネのオリンピックの 公式スポンサーで、 選手達は、選手村でファーマネックスのサプリメントを飲んでおり、女子選手は、ニュースキンの化粧品を使っている。オリンピックの公式スポンサーの権利を獲得するのは、容易なことではないことはご承知の通りである。
なお、ファーマネックスジャパンが属するニュースキンジャパンの昨年度の売上は約620億円。今年度は700億円を目指し、1000億企業になる日も近いであろう。ちなみに売上の20%はオンラインで、オンラインストアの売り上げでは日本一ではないだろうか? 更にこれは、急速に増えていっているという。 関係者によると、楽天など足元にも及ばないと言うが・・・・
このような、アメリカではかなり評価されている会社を日本では、その販売方法により、あまり評価されていない。偏狭な考え方もいい加減にしないと、足をすくわれることになるかも知れない。
近く、11月と言われているが、日本の著名なASP(アィリエイト・サービス・プロバイダー)と組んで、自社商品以外のアフィリエイトプログラムによるオンライン販売にも参入する。
日本のアフィリエイト業界に、異色の風が吹くことになる。
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