日本の一般のアフィリエイトの方々には馴染みが薄いですが、一部ネットショップを運営している方々にとって、最近、ちょっとした話題になっているのが、独自アフィリエイトプログラムの運営です。
先日、ネットショップ関係の集まりに呼ばれましたが、そこで聞かれるのが、独自アフィリエイトプログラムと既存のアフィリエイトネットワーク(
リンクシェア、
アクセストレード、
A8といったAffiliate Service Provider)を利用した場合の優劣です。新規にアフィリエイトプログラムに参入するネットショップならば、文句なく
ASPの利用が簡単で妥当でしょう。これがアフィリエイトプログラムに習熟して、売上も上がってくると、いろいろと選択技が広がってくるようです。
独自アフィリエイトって何、と言われるアフィリエイトの方もおられると思います。アフィリエイトにとっては、信頼がおける企業がきちんと運営しているのであれば、どちらでも良いのであって、独自アフィリエイトの最大手、
アマゾンを利用するにあたって、ASP利用か独自運営か、そんなことを考慮する人はいないでしょう。
日本ではあまり馴染みがありませんが、独自アフィリエイトというのは、簡単に言ってしまえば市販の「アフィリエイト・ソフトウエア」を買ってきて、自分のネットショップに組み込み、自分でアフィリエイトプログラムを始める、ということです。欧米では、この方法が大いに幅をきかせており、アフィリエイトマーケティングの初期からASPを利用した場合とどちらが良いかと、その優劣が論議されています。
◆アフィリエイトプログラムは独自運営から始まった。
そもそも、アフィリエイトプログラムは、アマゾンドットコムの例を挙げるまでもなく、独自運営がその始まりであったわけです。そこへ、1997年にリンクシェアの創立者、ステファン・メッサーズ姉弟がASPの仕組みを開発し、今のASPの形を作りあげていったわけです。このあたりの「アフィリエイトの歴史」については、私の著書
ブログで簡単!アフィリエイトの冒頭に簡単ですが述べられています。
筆者がこの問題について当サイトに記事を書いたのが2001年の12月で、
良いアフィリエイトプログラムを見極めるための10箇条という記事の中に次のように書いています。
・・・これもアメリカでの話しになりますが、アメリカではアフィリエイトプログラムをインハウス(独自で)運営しているサイトがASPに加入しているサイトの数と同等くらいあります。その代表的なものがアマゾンドットコムです。アマゾンのアフィリエイトに対するサポートは非常に良くて評判ですが、反対に、多くのインハウスのアフィリエイトプログラムは殆どマーケティングサポートを提供していないようです・・・
勿論、時代は変わって、マーケティングサポート云々の件は”昔話”になっておりますが、アフィリエイトプログラムの初期の時代からこの問題は論議の対象になっていました。
◆マーチャント向け、アフィリエイトソフト比較サイト
当サイトでは、アフィリエイトの皆さんのためのASPの選択指針をパートナーのあびるさんの執筆で載せておりますが、
「ECサイト独自運営」の項があり、独自運営サイトの紹介が載っています。どのような企業が独自運営しているか、ここをご覧になると分かります。ただ、これらはアフィリエイトの皆さんの為の情報で、マーチャント向けではありません。
アメリカには、これからアフィリエイトプログラムに取り組もうというマーチャントのために、
アフィリエイトソフトを比較研究するサイトがあり、既存のアフィリエイトネットワーク(ASP)も取り上げられているので、マーチャントはそこでじっくりと比較研究した上でアフィリエイトプログラムを選ぶことが出来ます。
上記の比較サイトでは、6月18日現在、45のソフトが比較研究されていますが、この中にはコミッションジャンクションやリンクシェアも入っており、一般のパッケージソフトウエアと比較されています。なんと200項目以上について比較検討されています。
この比較サイトでも対象の1つになっている、"
Post Affilite Pro"というソフトが日本版に移植されてこの度発売されました。発売日が6月19日。発売ホヤホヤのアフィリエイトソフトです。この「Made in 外国」版が、日本の風土にどのように適応しているのか、筆者には試してみる術はありませんが、興味のある方はサイトで確認してください。
◆進化した、Made in Japan のアフィリエイト自社運営ソフト
翻って、日本の現状はどうでしょうか。そもそも独自アフィリエイトはアメリカで広く普及しており、アメリカの独壇場かと思っていたら、まったくそうでなく、日本にも非常に優れたソフトがあることを知り、自分の勉強不足を知らされました。
今、日本で知られているアフィリエイトソフトには次のものが代表的なソフトのようです。
- ECジャパン株式会社 Affiliate Manager
- 株式会社コンケーブ プライベートアフィリエイト
- サイテック株式会社 自社運営型アフィリエイト
- 株式会社 エムズ ECBBアフィリエイト
上記の(1)から(3)までは、パッケージでの提供。
(4)はフルカスタマイズ可能なパッケージと低価格なASPでの提供、加えてPC・携帯連動型を展開しています。
今回は、日本で数多く出ているという
ECBBのアフィリエイトソフトを見てみましょう。このソフトに限らないと思いますが、独自運営のソフトを使用するメリットには、次のようなものがあるようです。ただ、これらについても優劣があるので、使用するに当たっては良く見極めが大切です。
- 広告効果の精密な測定が可能
- アフィリエイターデータを入手
- アフィリエイターからの直リンクで得られるSEO効果
- 成果報酬に対する利益を支払わないで済む
これらに加えて、エムズでは、ECBBソフトの持つメリットについて次の点を挙げています。
◆ECBBソフトの独自のメリットについて。
(筆者註:今回、この記事を書くにあたり、ECBBのエムズ社にインタビューを試みました。従って、彼らの視点によるメリットですので了解下さい)
- 他社が持たない多くの機能と価格で2006年5月までに50社に販売。この数は日本有数と考える。
- 稼動するサーバに依存されず、クライアントの負担なく、導入するだけでSEO効果が得られる。
- ほとんどのECサイトに導入可能。
- クライアントのニーズにあわせ、安価に利用できるASP版とカスタマイズ変更が可能なパッケージ版を用意している。
- PC、携帯版の自社アフィリエイトが同一画面で管理出来る。
- 世界初のQRコードを活用(QRアフィリエイト)した携帯版自社アフィリエイトも可能。この機能はECBBアフィリエイトシステムだけ。
- また、他のECBB製品(EC、ブログ、RSS)との連動も可能。
◆ECBBのソフトを使用している主な企業は、次のものがあります。
井上梅干食品「熊平の梅」
ECBB自社アフィリエイトSEO対応・導入事例
筆者がECBBに興味を持ったのは、単にアフィリエイトソフトのみでなく、その総合的な事業展開にあります。サイトに次のように説明されています。
2005年以降は、これまでの各事業で得たノーハウから、Web ビジネスに求められる要素を機能別にパッケージ提供するソフトウエア・システムパーケージ事業を開始しました。すべての製品において”高性能・低価格”を実現します。
エムズの松浦社長は、少なくとも100を超えるパッケージソフトの計画があり、非常に近いうちにすべて実現していくと言われていましたが、海外までも見据えたその計画が是非実現することを願います。
ASP利用と自社アフィリエイトソフトの問題については、双方の立場から、再度取り上げようと思います。