6月4日の新着情報にて、コミッションジャンクション(CJ) が、7月1日より、コミッションの測定基準を公開し、完全オープン型のシステムを採用することを伝えたが、ついにその内容が公開された。6月4日の記事も参考にされたい。
(筆者注: なお、コミッションジャンクションは、マーチャント、アフィリエイトという呼び名を止めており、これを ”Advertiser” 及び ”Publisher” に全面的に変更した。「広告主」及び「発行者」のことである。ちなみに、BeFree も、アフィリエイトを「パートナー」という呼び名に変えている。
”アフィリエイトは、広告主と一体になって、目的を達成するためのパートナーである”(CTO 、Sam Gerace、 BeFree) との意識を全関係者に浸透させるために、各ASPは、アフィリエイト・プログラムそのものの解釈、実行にメスを入れだした。
今までの、”儲けさせてやる”、或いは ”儲けてやる”という、意識を変えるところから、21世紀の ”成功報酬型マーケティング”へと脱皮しようとしているのであろう。今後、広告業界の主流になるであろう、”成功報酬型マーケティング”が、単なる、小遣い稼ぎの場であってはならないのは、誰も異論はないであろう。その変革のために、まず、従来の呼び名を変えるところから手をつけたのは、大いに意を強くする。
筆者も Affiliate の訳語に、おそるおそる、”販売パートナー” を充てていたが、今後は、この呼び名を、もっと使うようにしたい。日本人には、”アフィリエイト”よりは、分かりやすいであろう)
本題に戻る。
情報公開の中心になる測定基準が、”EPC”という、考え方である。
● EPCとは、”Average earnings per one hundred clicks” のことをいう。「100クリックごとの平均収益」の意味である。クリックがコミッションに変換される能力を表す基準である。EPC は、7日間と、3ヶ月の二つの基準が表示される。
● もう一つの測定基準が、”Network Earnings” ?「ネットワーク収益」で、これは広告主或いは 販売パートナーが、ネットワーク内で、それぞれが、”幾らコミッションを支払ったか”、方や ”幾らコミッションを稼いだか”をベースに、ランク付けしたものである。ランクは、”$”で現される。ランクが低ければ(広告主が、関係する全パートナーに支払ったコミッションの総額が低ければ)、$の数が少なく、ランクの最高は(コミッションを沢山支払った場合は)$が5つ、即ち ”$$$$$”となる。
● 実例を見てみよう。
コミッションジャンクションの販売パートナーのページに入り、広告主を選ぼうと、各カテゴリー別の広告主のリストを開けると、すべての広告主に、上記の ”EPC”と”Network Earning”の項がある。
例えば、”News” のカテゴリーを見ると、別項で報じた、USAToday や、NewYork Times など、4つの新聞がリストアップされる。USATodayは、参加したばかりなので”EPC”と”Network Earning”の項目には”New”としか、記載がない。
記載のある、NewYork Times(下段の始めの数字) と、LinkYourNews (下段の後の数字)をみると、次のようになっている。
3 month Network EPC: $17.55 $0.96
7 day Network EPC: $6.63 $1.58
Network Earnings: $$$$ $$$
Sale/Lead/Click: $25 per sale $0,45 per lead
当然のことだが、販売パートナーとしては、NewYork Times を選んで、パートナーとなった方が、収益は大きいのが一目瞭然である。
● 云われるところの、ビッグネームの EPC を列挙すると次のようになっている。参考のために、EPC を1クリック当たりに換算した数字も挙げておく。
広告主 3 Month EPC 1クリック当たり
New York Times: $17.55 ($0.18 per click)
Fingerhut.com: $12.73 ($0.13 per click)
Half.com: $11.29 ($0.11 per click)
eBay: $9.19 ($0.09 per click)
Tower Records: $3.22 ($0.03 per click)
City Search.com: $3.02 ($0.03 per click)
Ask Jeeves: $0.99 ($0.01 per click)
この、結果を概観するといろいろなことが分かってくる。3 month EPC と 7 day EPC の開きを見ても、例えば、支払い条件などを有利に変えたりすると、7dya EPCが急に大きくなったりする。
コミッションジャンクションが、支払い方法を変更し、測定基準を定めて、情報公開をすると予告して、その約束通り、今回、その全容が公開されたわけだが、当然のことながら、アメリカでは大きな話題を呼んでおり、論争が巻き起こっている。
この情報公開はアメリカのみならず、今後の日本のアフィリエイト・マーケティング業界に与える影響も決して少なくないと思うので、項を改めて詳しく報告したいと思う。
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