コミッションジャンクションが、その世界戦略を見直し、英国を除いてヨーロッパから撤退してひと月以上が経つ。ヨーロッパのアフィリエイト・マーケティングもアメリカ生まれのASP (Affiliate Service Provider)に、市場を席巻されるのかと危惧されたが、それはまったくの杞憂だったわけだ。
ヨーロッパ生まれ、それもヨーロッパの北の端、スエーデンで生まれた、 TradeDoubler が順調に事業を伸ばしているようである。同社は2000年4月に約12億円のベンチャーキャピタルからの投資を受けたが、このたび、更に3億6000万円の追加投資を受けることになった。出資者はスエーデンの有力ベンチャーキャピタルを始め、数社である。
TradeDoubler は、従業員55名の陣容で、現在、12カ国で事業展開中である。そのうち、英国、ドイツ、スエーデンでは利益をあげており、2001年の総収入は約10億円を見込み、会社全体としては、2002年の第一四半期には利益を計上すると行っている。
顧客数は300、アフィリエイトの数は12カ国で27万人と発表している。勿論、ヨーロッパ最大のプログラムである。10カ国にオフィスを持ち、ローカルのサービスに徹底しているようである。
ご承知のように、ヨーロッパの人々は、非常にコンサーバティーブ(保守的)で、新しいものにはまず、拒否反応を示すのが常だが、そのヨーロッパでアフィリエイト・プログラムが順調に伸びていると云うことは、アフィリエイト・プログラムのグローバリゼーションも本格化したということだろう。
ヨーロッパで本格的にビジネスを展開するには、自国のみの一国対象では、ビジネスにならない。ヨーロッパ全体を見据えなければならないが、言葉の問題があって、これが云うはやさしいが実際になると障害になるのである。しかし、その障害を乗り越えて、27万人のアフィリエイトを獲得しているというのは、立派である。
日本は単一言語だが、日本のASPの規模は、アフィリエイトの数で見る限り、スエーデンのローカル企業に及ばない。言葉を換えれば、それだけ可能性を残しているということにもなるが、いずれにしろ、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの三極で「成果型報酬」が、広告業界の主流になりつつあるという現象は、関係者としては喜ばしい限りである。
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