「懲りない面々」というタイトルの小説だか、映画があるが、BeFree の”無法者”に対する姿勢は確信犯のそれのようである。
9月2日の「業界動向」に、「あなたのサイトが書き換えられる! アメリカのインターネット業界をゆるがす, 無法者 ”scumware” の横行」という記事を載せた。
この記事をご覧になって頂くと内容が良くわかるのだが、手短に、一部を引用してみよう。
「”scumware”とは、一種のソフトウエアで、種類は幾つかあるらしい。例えば、あなたのホームページの上に、あなたの許可無しに、別の広告主の広告が現れるとか、現存のバナー広告を覆うようにポップアップ式に別の広告が張り付く、といったことである。
例えば、次のようなことが起るのである。
あなたのサイトに”自動車”という単語があったとする。そうすると、あなたの意図を無視して、”自動車”にハイパーリンクがついてしまって、それをクリックすると、すべて、”トヨタ”のサイトに飛んでしまうと言うのである(例えばの話である)。
これは、どのようなことが起るかというと、ニッサンのサイトに”自動車”という単語があると、その単語にすべて、ハイパーリンクがついてしまい、クリックすると”トヨタ”のサイトに飛ぶということなのである」
9月2日のこの記事は、アメリカのASP御三家ののひとつ、BeFree が ”scumware”の大手、Gator - http://www.gator.com を、マーチャントのひとつとして持っていることから問題が起ったのである。
BeFree は、これにより自社の品位を汚し、ひいては、アフィリエイトプログラム業界の問題でもあるというので、非難を受けているのだが、Gator には未だにお引き取り願っていないようである。
ところが、問題がもう一つ起ったのである。BeFree が最近、自社のマーチャントの中で、アフィリエイトプログラム業界に貢献している企業のひとつに、”scumware”を長年使用している、ConsumerInfo.com を選んだのである。
選ばれる基準は、「アフィリエイトにフレンドリーであること」として、アフィリエイトに対するサポートや支払いがきちんとしていて的確である、というようなことが基準になっている。
その他に選ばれた企業には、
True Credit
Birthday Express
Deluxe Business Checks
eHealth Insurance
Reader's Digest - Gifts.com
Musician's Friend
Zixmail
Microsoft (shop.microsoft)
NetFlix
など、世間に知られた企業が20社ばかり名前を連ねている。この中のひとつとして選ばれたわけだから、また、問題がややこしくなってきた。
Gator 問題に引き続い起こっただけに、BeFree は、無法者 ”scumware” の横行に対して、批判的な立場ではなく、むしろ擁護しているような印象を与えているのである。BeFree が大手のASPだけに、アフィリエイトプログラム業界自体の問題として捉えられる恐れがあるとして、またまた、BeFree に対する非難の声があがっている。
皮肉な見方をすれば、Gator 問題で責められているBeFree の、世間に対する抵抗であり、回答であるともとれる。
BeFree の最高責任者は、これに対して言及することをさけているようである。
この問題については、ASPの他の大手二社、Linkshare や、Commission Junction の立場にも興味がある。追って、彼らの立場をお伝えしよう。
海の向こうの問題には違いないが、IT業界の無法者と呼ばれている”scumware”に対して、アフィリエイト・プログラム業界を代表する大手が肩入れしているような風景に、一部のアフィリエイトマーケティングの関係者は顔をしかめているようである。
日本だったらどうだろう。拝金主義が支配しているこの東洋の「異質の国」には、無法者だろうが何だろうが、金になればいいじゃないかの ”いいじゃないか、いいじゃないか”の大合唱が聞こえてきそうである。
それとも、”無法者”に対しては、お引き取り願うだけの見識と勇気を持ち合わせているだろうか?
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