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「リンクシェアフォーラム2006」に参加して思ったこと--アフィリエイトプログラムのロングテール現象

投稿者 石川洋一 2006年04月24日 14:21
◆キーノートスピーチ
ジャパネットたかたの高田社長は、ご自分でも言われていましたが、かなり緊張されているように見えました。TVで見る高田氏とは違うもう1つの顔を身近で見ることが出来ました。2006年4月19日、リンクシェアフォーラム2006に於けるキーノートスピーチでのことです。

キーノートスピーチは集客の要であり、主催者の現在置かれている位置を示すものでもあり、将来への道筋を参加者に明示するものでなくてはなりません。その意味で、TVショッピングで知られたナマの高田氏をキーノートスピーカーとして、招いたことは、リンクシェアの現状を十分に示すものでした。

佐世保のカメラ屋から現在の年商1000億の通販まで伸びてきた高田氏の話の内容はそれなりに聞くものを鼓舞するものを持っていました。・・・ものを売るだけではつまらない、お客とどのように付き合うか、お客の目線の先に何があるのか、1つのカメラで子供が写真を撮る、病に冒されている子供が写真を撮ることに生き甲斐を感じ生活が変わっていく。カメラを売るという行為の先にあるものを大事にしてビジネスに係わってきた・・・。

或いは、カラオケで家族のコミュニケーションを取る。家族の絆を強めることに貢献しているビジネス。自分のビジネスに夢を持ち続けること、そして必要性を感じる会社にしたい・・・。当然のお話ですが、成功者が話すと厚みが違います。聞くものにそれなりの感銘を与え、説得力のあるお話でした。

一方、同じ会場でこんなハナシも耳にしました。
・・・実はね、ボク、ジャパネットタカタから商品を買ったことがあります。1年ばかり前のこと、サンヨーのミニレコーダーです。数万円するものが1万円で買えるとあってスケベー根性が働いて注文しました。当然、形式は古いものです。買ったのはよいが、使い方が実に面倒くさい。この種のデジタルに弱いのかな、何回説明書をみても分かりません。とうとう一回も使うことなく、引き出しの中に眠っています。仕方なく、お払い箱にしようと思っていた10数年前のウオークマンを取り出して使っています。デジタルに嫌われ、何とも懐かしい録音テープへの逆戻り。ボクにとってのジャパネットタカタとはこのサンヨーのミニレコーダーに直結します。高田社長の話を聞きながら、このレコーダーの使い方を教えてもらいたいと思っていました・・・
なぜ、こんな話を引用したかというと、マーチャントには、こんな難しさがあると言うことを言いたかったからです。筆者も小さなオンラインショップをやっています。今年の初めだったか、客から注文をキャンセルするという強硬な抗議を受けました。理由は、「東京三菱銀行」などというものは存在しない、ということでした。支払いの項に、たまたま、「三菱東京UFJ銀行」と名称が変わったのに、その記載が遅れていました。支払い時に「東京三菱銀行」と入力しても、自動的に「三菱東京UFJ銀行」になるのに、その客は承知しませんでした。面と向かっていれば、何でもないことなのに、オンラインショッピングではそうはいきません。こういう客もいるのだな、と大いに反省材料になりました。

・・・たかだか1万円のテープレコーダー、それもメーカーはサンヨーという一流メーカー。しかし、ちょっとばかり取り扱いが面倒くさい商品を扱ったばかりに、不器用な客に恨まれる羽目になる・・・。「東京三菱銀行」のことで実感していただけに、その人の愚痴話を聞きながら、マーチャントにはアフィリエイトには分からない苦労があると思っていました。

昨年のキーノートスピーチは、リンクシェアUSAのステファン・メッサー氏でした。アメリカのアフィリエイト業界の理論、実務の両面に於いて大活躍されているメッサー氏のお話は常にIT業界の指導者としての重みを持っており、それなりに十分な説得力を持っていました(その方の話が聞けなくなったのは残念ですが)。
リンクシェア・ジャパン、日本のアフィリエイト史上最大規模の会社設立記念シンポジウム&パーティ開催。その1
リンクシェアジャパン、日本のアフィリエイト業界最大の記念式典。その2--リンクシェアUSA会長、ステファン・メーサー氏のスピーチ

それとは様変わりの今年のキーノートスピーチでしたが、昨年とはまったく違う、劇場型の興味を持って話を聞くことが出来た人も多いのではないかと思いました。

◆Web2.0時代のアフィリエイト、現状と展望
それに続く、花崎社長の話は、もっと時間をかけて、質疑応答を交えて聞きたい話の内容でした。発展を続けるリンクシェアの情報を直接、それも最高責任者の口から聞けるのは、それだけでこのフォーラムに参加した甲斐があります。このような集まりの度に、引用される数字がうなぎ登りに上がっていくのは、リンクシェアのみならず、この業界の発展が続いていることを実感します。

リンクシェアUSAの論客の話を聞けなくなった今、その流れを引く花崎社長の話は、業界の論客の一人として重みを持っています。

「アフィリエイトマーケティングは今年どうなるのか」、花崎氏の多岐にわたる話のポイントだけ思いついたままに列挙しますが、そのひとつひとつが話題になる内容です。
  • 検索連動広告のインフレーション
  • eコマースのアフィリエイト予算のシェアアップ
  • 導入企業の更なる広がり
  • モバイルアフィリエイト市場の本格化
  • ワンセグの活用ーー通販サイトに跳べる
  • 時間を手にした団塊世代シニア層の大量参入
  • 「固定費+成果報酬」というハイブリッド型モデル媒体の拡張
  • アフィリエイトに関しては毎月の50%以上がブログサイト
  • アフィリエイト層の分散化 - 毎月1万人以上が報酬を受けている。(リンクシェアは1円以上から支払っているからこの状況がよく分かる)
  • 個人のトップサイトののびはあまり変わらない。
  • ロングテール現象 - 売れ筋でない商品がインターネットで売れていくことだがアフィリエイト自体もロングテール
  • Web2.0時代 - 個の集合知」のアフィリエイトマーケティング
  • アフィリエイトは金儲けのツールから「価値を共有するグループ」の提携プラットフォームへ
  • アフィリエイトは”価値観共有型”へと進化
  • 個人の「情報力」を信じる
  • ひとりのマイナスより10のプラスを評価
  • 個人の持つ価値の多様性を活用
  • 売り方、すすめ度の自由度
  • 情報伝達はネット経由に限定せず、オン・オフ両面での接点、交流を深め、平均化とともに「売り主の思い」を伝達する
  • コミュニケーションの場を更に推進 - 見本市、商談会
  • Google対アフィリエイト - アフィリエイトはグーグルに駆逐されてしまうのか?クリックの付加価値の有無 - アドセンスは広告。配信か選択かの問題。広告出稿者側の品質問題。アドセンスは自動表示。
  • アフィリエイトには説明会、オフイベントなどがある。
こうみてくると、話のアタマを並べただけでも、花崎氏の言わんとするアウトラインが見えてきませんか?

今回は、この中で、ロングテールについて取り出してみましょう。

◆アフィリエイトのロングテール化問題について
ロングテール(長い尾)とは、ご承知の通り、売れ筋でない商品がインターネットで売れていく現象を言うようです。実例を挙げます。アマゾンドットコムでは、「リアルの本屋」には置けず、従来ならば売れるはずのない本が、在庫状態に左右されないネット上で売れて行っており、売れ筋でない商品の売り上げが、売れ筋商品の売り上げを追い越してしまうという現象が生じたそうです(Wired誌の編集長クリス・アンダーソン氏の推計による)が、この現象をロングテールと呼んでいます。この現象がアフィリエイトマーケティングの上でも起きているという花崎氏の指摘です。

マーケットが大きくなる中、トップサイトの報酬額はあまり伸びてないのに、低所得の層がどんどん広がっているというのです。これはここ1年ばかりの間に、ブログでアフィリエイトマーケティングに参加する人達が多く(リンクシェアでは50%、下記の協会調査でも50%。まさにぴったり一致)、裾野が大きく広がったのに、高所得者の割合が伸びないから、テール(尾っぽ・低所得)の部分がどんどん長くなっていく(ロングになる)、まさにロングテールの現象になっているわけです。
この現象は、筆者の関与しているアフィリエイトマーケティング協会の調査でも明らかになっています。協会が昨年暮れに行ったアフィリエイトプログラムに関する意識調査2005(PDF)では、収入がないが26.9%、1000円未満のアフィリエイトが43.3%、実に70%が1000円以下か無収入という現象です。

これは、アフィリエイトプログラムは「お金が稼げる」という現象からは、かなり遠いことを意味しています。花崎氏は自社の実例をもってこれを指摘されましたが、これもまた協会の調査を更に裏付けるものになりました。残念ながら、甘い思いをもってこのプログラムに入ってきた人達にはちょっとした衝撃に違いありません。

上記のような現象、調査結果を目の当たりにして、アフィリエイトマーケティングにおける、ロングテール現象は、これから更に論議を呼んでいくことと思います。たまたま、「ロングテール」などという、ヨコモジの流行語が生まれたばかりに、これに当てはめて論じられる現象が増えて行くに違いありません。そのやり玉に真っ先に指摘されたのが、残念ながらアフィリエイトプログラムです。

死に態のアフィリエイトがどんどん増えていくことにならないか、これがアフィリエイトマーケティング全体にどのような影響を及ぼしていくのでしょうか。

この問題、次回にも論じてみたいと思います。

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