ゼロックス(USA)の e-Business 戦略。アフィリエイトをe-Business Partner と呼称。

ゼロックスは3月初旬に新しい e-business プログラムを発足させた。 Xerox.com のオンラインセールスを増やすために、サイトへのビジターの増加が必要条件になっている。

ゼロックスはアフィリエイト・プログラムの導入にあたり、アフィリエイト・プログラムを販売戦略の三つの大きな柱の一つとしてはっきりと位置づけた。

同社のe-Marketing マネージャーのAndrei Hall　氏は次のように云っている。
「アフィリエイト・プログラムは多くの新顧客を獲得するのにもっとも効果的な方法であり、我々はアフィリエイト・プログラムをオンラインビジネスを成功させるための大事な戦略と位置づけています。第一、販売が発生して初めて費用が発生するのだから、費用効果のうえから云っても、こんない良い方法はありません」

ゼロックスは、そのトップページで、「パートナー」という項目で販売戦略の一線に携わる関係者をすべてくくっている。

このパートナーの中には次の三つが含まれる。

１．Xerox Authorized Dealer ゼロックス・正規代理店。

ストックをもち、ショールームを持ち、カスタマーへの直接販売を行う。

２. Xerox Business Partner Program ゼロックス・ビジネスパートナープログラム。
　
ソフト開発、システム構築などにより、ゼロックス製品に新しい付加価値をつけて、新しいネットワーク・ソリュージョンを提供するパートナー。ゼロックスのソフト製品（Docushare, FlowPort, PrintXchange　など）の販売も行う。

３．Xerox eBusiness Partner Affiliate Program 　ゼロックス・e-Business アフィリエイト・プログラムパートナー。

ゼロックスはアフィリエイトをe-Business パートナー と呼び、そして、自社のアフィリエイト・プログラム・マネージャーを、「e-Business パートナーマネージャー」と呼んでいる。ちなみに、コピー機などハードのコミッションはわずか1%だが、用紙、トナー、カートリッジなどは4%のコミッションである。

ゼロックスは1万人のe-Businsess パートナー とネットワークを組むのが現在の目標である。

多くの”ブリック&モルタル企業”（ビルディングの中に店を構えた従来の企業のこと）がオンラインセールスに乗り出し、アフィリエイト・プログラムを採用している。殆どの企業が、サイト案内の中に「アフィリエイト・プログラム」という一項目をもうけて、そこでアフィリエイト・プログラムを説明し、参加を呼びかけている。

ゼロックスは、ゼロックス製品の販売に携わるすべての関係者を「パートナー」を位置づけて、正規代理店と並んでアフィリエイトをその中に含めている。アフィリエイト・プログラムを何か特別の販売戦略みたいに、別扱いしていないのである。

ゼロックスはその歴史と伝統から云っても”ブリック＆モルタル企業”の最たるものである。オンラインビジネスを強化するに当たり、アフィリエイト・プログラムを積極的に取り上げたわけだが、このようなオフィス機器メーカーにとっては、アフィリエイトも即、顧客につながる。

オフィス機器メーカーの生き残りをかけた生存競争は激しい。ゼロックスの戦略がどこまで功を奏するかわからないが、ブリック＆モルタル企業がオンラインビジネスに参入する場合の一例として紹介したわけである。

翻って、日本のマーチャントの意識の中には、アフィリエイトをパートナーとみる考えがまだ稀薄のように思える。パートナーというよりもツール（道具）という考え方が強いのではないか。この考えがある限り、アフィリエイト・プログラムで成功するのは難しい。