アフィリエイトプログラムを効率的に使用して成果をあげる。イーベイの場合

イーベイが、アフィリエイトプログラムに参入したのは、実は、コミッションジャンクションに参入する以前からであった。

イーベイは、2000年４月にアフィリエイト・プログラムに、ClickTradeというASPを使用して参加した。一人登録にたいして３ドル（約360円）支払うというものである。ClickTradeは、マイクロソフト系列のアフィリエイトサービスプロバイダーとしえ知られている。このプログラムは現在も生きており、2万人のアフィリエイトを保持するまでに成長している。

そして、約1年後の、2001年3月3日にコミッションジャンクション(CJ)を使用して二番目のアフィリエイト・プログラムに参加した。同時に一人の登録にたいして4ドル（約500円）にアップした。その結果、最初の1週間で3000近いアフィリエイトが入会した。6週間後には、12000が登録した。

イーベイはgがCJのアフィリエイトプログラムに参加する前に、子会社の half.comをCJのプログラムに参加させていた。名前のごとく、書籍、CD,ビデオ、DVD、ゲームなどを極安で売買するサイトである。

こうして、親会社と子会社を同じASP（Affiliate Service Provider）に参加させることにより、相乗効果が生まれることになった。イーベイに登録したアフィリエイトは、ハーフコムにも誘い込むのである。この反対も同じである。

こうして、イーベイは今後12ヶ月で、20万のアフィリエイト獲得をめざしている。

ご承知のように、イーベイは、世界最大規模のオンライントレーディング企業として知られている。イーベイに登録しているユーザー会員数は、現在、約2900万人と云われる。しかし、イーベイは会員獲得にどん欲なまでの熱意を示しているという。

アフィリエイトプログラムに参加したのも、この種の企業としては遅いほうである。しかし、一旦参加し、その効果が見えたとなると二つのASPに参加して一挙に会員獲得に突っ走るのである。マーケティング責任者の次の言葉は、噛みしめるに値する。

「アフィリエイトマーケティングは今後、イーブローカーのような働きをするのではないか。IT関連の企業が淘汰されていく中で、創造的な方法をもつプログラムとして、ブローカー的な役割を果たしていくだろう」　

更に続けて、
「イーベイはいま、世界に3000万に近い数のメンバーをかかえているが、我々は、30人のメンバーに対処しているという気持ちでやっている。我々は一人のメンバーといえども失ってはならないのである」

この結果、同社の先の四半期の利益が、154ミリオンドル(約200億円)の収入にたいして、21ミリオンドル（25億円）であった。

四半期に於いて720万人のユーザーを増やし、登録者は2970万人となった。更にebayのバランスシートは強力で、先の期の連結試算では、1.3ビリオンドルの資産を有し、これには850ミリオンドル（約1100億円）の現金と投資を含んでいる。