アフィリエイトプログラムは、「無法な泥棒に等しい」と、アメリカのある広告会社が怒り狂っている。Winstar Interactive Media とCyberepsである。
不況のため、オンライン広告業界はどんどん注文が減っていく。その上、アフィリエイトプログラムによって、企業は別の広告効果を知ることとなり、「広告に徹した広告」の注文は減っていくことになる。
アフィリエイト業界では言い古されたことだが、アフィリエイトプログラムには、直接の売り上げ効果がそれほどでなくても、ブランド効果があるではないか、といった「伝統的な論争」が長年繰り広げられている。企業の一部には、それを知って一般の広告を止めて、アフィリエイトプログラムを採用するところが増えている。広告で食っているサイトも、この風潮に押されて、成果報酬型の広告を載せざるをえないところが増えているという。
広告を載せて食っているサイトは、成果報酬型の広告を載せて、それで売り上げがなければ、自分のサイトのある部分を「役にも立たないバナー広告」で、無料で占拠されているようなものだと感じるのである。
したがって、成果報酬型の広告は広告主には良いが、広告業者にとっては「面白くもない」広告ということになる。「アフィリエイトプログラムは泥棒である」という論拠である。それでは止めればよいではないかという議論が出るが、本来ならばバナー広告があるべきところに何もないよりはというわけで、成果報酬型の広告を出すことになる。広告業者としては、企業のブランディング効果を考えに入れて、ミニマムのコアとなる支払いを受けることによって、バランスを取ろうとしている。
さて、成果報酬型のアフィリエイトプログラムのブランディング効果について、次のような例がある。
世界一の売り上げを誇る大企業といえば、Walmart である。この著名なショッピングモールもアフィリエイトプログラムに参加しているのである。アメリカでのアフィリエイトプログラムの普及度がうかがい知れる。日本で言えば、イトーヨーカドーとダイエーがアフィリエイトプログラムに参加しているようなものである。Walmartは、リンクシェアUSAのシステムを使用してアフィリエイトプログラムを運営している。
知名度のある世界一のショッピングモールがアフィリエイトプログラムに参加してどのようなメリットがあるのかと、首をかしげる向きもあるに違いない。確かに、Walmart のアフィリエイトプログラムによる売り上げは、全体から見ればわずかなものらしい。そもそも、Walmart のアフィリエイトプログラム・マネージャーは、セールスデパートメントに属するのでなく、広告部に属しているそうである。これは、Walmart はアフィリエイトプログラムを直接の販売増進の策と考えるよりは、広告の一つと考えているからである。
日本のスーパーもそうかもしれないが、Walmart は、彼らの店の棚に載っている製品のほとんどは、その供給者に対して一銭も支払ってない。売り上げがたって始めて支払うのを原則としている。売れなければお払い箱である。これは何を意味するのか? そう、成果報酬型の支払いである。世の中には、成果報酬型支払いがビジネス慣習として強く根付いているのである。
ビジネスにオフラインもオンラインもない。オンラインにおいてその支払いが成果報酬だからといって、また、実績が上がらないからといって、文句を言ういわれはないだろうというのが、先にあげた「アフィリエイトプログラムは、泥棒である」と云う、広告会社に対する反論である。日本の関係者はどのように考えておられるのだろう?
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