第4章 質の良いアフィリエイトプログラムと、関係者の役割
投稿者
石川洋一 2002年01月13日 20:59
アフィリエイト・プログラムの質はマーチャントによって決まると思っている方々、いやアフィリエイトである、いや ASP (Affiliate Service or Solution Provider. アフィリエイト・プログラムのシステムを提供する企業、例えばリンクシェアやA8ネットがある)である、といろいろと議論があります。
ひっくるめて、三者すべての質が良ければ良くなるのは当然です。
企業の質が良いに越したことはありませんが、アフィリエイト・プログラムの先進国アメリカでは、世間的に名の知れた有力企業から出来立てのショップまで、殆どの企業がアフィリエイト・プログラムへの参加を考えるのは常識となっています。どのようにして質の良さを決めるのでしょうか
世にいう知名度の高い企業が、アフィリエイト・プログラムに対して質が高いかというとそうでもないようです。むしろ反対の場合があり得ます。
ちなみにアフィリエイト・プログラムにおけるマーチャントの質はどこをチェックしたらよいのでしょう。
- アフィリエイト・プログラムに対するはっきりしたポリシーを持ち合わせているか?
- FAQ (Frequently Asked Questions) のセクションなどで必要事項に答えているか?
- 問題があったときのコンタクト先をきちんと明記しているか。機械応答でなく、ライブのコンタクト先が望ましい。回答はすぐに行うか?
- アフィリエイト・プログラムに対してきちんと説明しているか?ASPが詳しく説明しているが、アフィリエイト・プログラムへの最初のアプローチはマーチャントから始まることが多い。従ってマーチャント自体、アフィリエイト・プログラムに対するしっかりした説明をすることが大事である。これがポリシーにもつながる。
- しっかりしたレポーティング機能を持っているか?実際にセールスが行われてからその結果がネット上に表記されるまでいったいどのくらいの時間がかかるのか?
- 売ろうとしている製品へのリンクがしっかり付いているか?(中には非常に紛らわしいリンクを付けているところがある。リンクから入ると、主要製品が幾つか並んでいて、アフィリエイト・プログラムに参加しているのはそのうちの一つだけなどというのがある)
- 販売促進にあたってのサポートは?企業内のライブの製品サポートは勿論だが、プレスリリースの資料だとか、製品の有利性を実証している統計だとか、使用者の感想などがある。また、アフィリエイト向けのミニサイトなどを作ってそれを参考にさせるとかいろいろある。
- そしてカスタマーサービス。顧客が再び戻ってきたくなるようなサービスをしているかどうか?ビジネスの基本である。
■2.アフィリエイトの質をチェックする
次にアフィリエイトについて述べてみましょう。マーチャントやASPを選ぶ場合の参考にもなります。
- (1) アフィリエイトの責任自覚
- アフィリエイトは何をしなければならないか、また、何をしてはならないか、プログラムのルールをはっきりと自覚すること。マーチャントとの関係が持続している限り、これは責任事項でもある。
- (2) アフィリエイトとして、報酬を得るためにすることとは?
- コミッションを得るために、何をしなければならないかをはっきりと理解すること。参加しているプログラムが、クリック型なのか、リード型なのか、或いはセールスコミッションなのか?
- (3) アフィリエイトとして、報酬の支払方法を理解しておく
- キャッシュの銀行振り込みなのか、小切手送金なのか、キャッシュの代わりにポイントを与えて貯まったら自社製品を安く提供するのか、といったいろいろの方式がある。また、アフィリエイト・プログラムが国境を越えて行われるようになると、自国通
貨での支払いはどうかといった問題も起こる。
- (4) アフィリエイトとして、何時報酬が貰えるのか?
- 支払いスケジュールはマーチャントによってまちまちである。毎月であったり、四半期ごとであったり、早いので二週間ごとというのもある。また、ある一定の金額に達するまでは支払われないというルールも一般化している。
- (5) アフィリエイトとしてアフィリエイト・プログラム・アグリーメントが簡単にアクセス可能な場所にあるかどかをチェックすること
- アグリーメントの内容は時には複雑で長い。アメリカでは内容をよくチェックする人も多いようだが、日本ではまれではないのか。それならば、必要な時には何時でも簡単にチェック出来るようにしておくこと。これはマーチャントの大事な責任でもある。
また、内容が変わった時には、マーチャントは必ず、その旨アフィリエイトに連絡すること。
- (6) アフィリエイトとして、問題が起こった時のことを理解しておくこと
- 不満や紛争が起こった時にどうするのか? 第三者機関にまかせるのが多いが、この点を明瞭にしてあるかどうか、はっきりしておくこと。
- (7) アフィリエイトとして、「終了」について理解しておくこと
- アフィリエイトがルールを破った場合にはマーチャントから契約破棄通告がくることになる。通常、売り上げを伸ばすために、不法な行為を行うときに起こりやすい。このようなルール破りはアフィリエイト・プログラムに参加する資格がない。また、マーチャントは契約を終了するときにはその理由をきちんと説明すること。アメリカでは理由を説明せずに終了すると、それまでのコミッションを支払わねばならなくなる。
- (8) アフィリエイトとして、良いトラッキングシステムを選ぶこと
- 報酬がいま幾らになっているのか、よい、ASPは、このあたりのシステムをきちんとしている。報酬統計をどのくらいの頻度で更新しているのかアフィリエイトとして知っておく必要がある。この点が契約書に盛り込まれているか?
- (9) ASPが果たす役割は、マーチャントとアフィリエイトの橋渡しであり、きちんとした契約条項を作ったり、支払いを行うといったことで、一旦プログラムが動き出してしまえば中身にまでなかなか気を使えないのではあるまいか。しかし、アフィリエイト・プログラムの善し悪しは仲介をするASPの質が大いに左右する。ASPの責任は勿論大事だが、良いASPを選ぶのもアフィリエイトの責任である。
以上、良いアフィリエイト・プログラムを作り上げるには、関係者全員の良識と努力が必要であるという、当たり前の結論が出たようです。
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